我が社には、仕事が忙しい割に給料が安いせいか、独身男が大勢います。
アラサー、アラフォー、下手をすればそれ以上もいます。
それくらいに、ボクらの業界の人間は、モテません!(きっぱり)
貧乏な上に、泥臭い仕事なので、女の子に相手にして貰えないのですよ(涙)。
……って、そんな話題ではありませんでした(汗)。
とにかく我が社は、独身者が多いのですよ。
なので、男の癖に(?)料理をする者も多く、時にはそんな話題になる事もあります。
昨日はこんな料理を作ったよ~♪ あれは美味かった、失敗だった~、なんて(笑)。
そんな連中ですので、新聞を眺めながら、いきなり料理の話が始まったりします。
丁度、紙面にそんな記事を見付けたりしたなら、こんな感じに。。。
―――
同僚「これ、美味そうな割に簡単じゃない?」
ボク「え、どれどれ? おー、確かに美味そうだな(笑)」
同僚「調味料が覚えやすくて良いよね~♪」
ボク「醤油、酒、味醂が全部『大さじ1』だもんな~(笑)」
新聞に載っていたメニューを家で再現する際、最も厄介なのが、『調味料の分量』です。
何しろ怠惰な独身男、コピーやメモなど取る筈も無く、全て『記憶』だけでやろうとしますから。
で、作っている途中でレシピを忘れ、大ピンチ!……お馬鹿な独身男が、陥りやすい罠です。
が、こうした『覚えやすい数字』ならば大丈夫、失敗する事はありません。
何しろ全てが大さじ1、こんなの、幼稚園児だって覚えられますからね(笑)。
同僚「全部大さじ1。失敗する馬鹿なんていないよね♪」
そんな同僚の言葉に、不意に蘇る、若かりし頃の記憶。
あれは丁度、ボクが一人暮らしを始めて間もない、冬の寒い日。
生活の為にも自炊をしようと、鍋釜を揃え、レシピブックを片手に挑んだ料理。
― 肉じゃが ―
何しろ経験がありませんので、分量通りに作ろうと、しっかり揃えた大さじ小さじ。
100円ショップで、3つセットで買って来た、大さじ小さじ。
銀色に輝くそれを持ち、何故かいきなり、こう確信したボク。
小さいのが『小さじ』、真ん中のが『大さじ』、特大のは『お徳用』に違い無い!(笑)
レシピに書かれた通りに、鍋から灰汁を掬い、野菜に火を通します。
そうしてジャガイモが柔らかくなったら、いよいよ味付けの本番。
大さじに調味料を注ぎ、慎重に数を数えながら、鍋の中に投入して行きました。
コトコト、コトコト、煮込む事数十分。
どんな風に仕上がったのか、ちょっとワクワクしながら、味見をします。
すると、ボクの想像とはまるで違い、味が全く感じられない……。
仕方が無いので、適当に放り込む塩だの酒だの。
そのうち段々と不気味な料理に進化(退化?)して来て、遂には得体の知れないメニューに(泣)。
その後も、何とか手料理を成功させようと、挑む事数回。
が、作っても作っても上手に出来ず、結局諦めてしまいました。
ボクにはきっと料理の才能は無いんだ、やるだけ無駄なんだ……そう、勝手に思い込んで。。。
それから数年、スーパーのお総菜を主食としていたボク。
ある日、同僚と料理の話になって……。
同僚「大さじって、カレースプーンくらいの量だよね」
ボク「え、そんなに大きく無いでしょ?」
同僚「いや、それくらいだよ? 大さじ小さじ、そして茶匙」
ボク「チャサジ?」
同僚「3つセットだろ? デカいのが大さじ、極小なのが茶匙」
デカいのが大さじ。
中くらいのが小さじ。
一番小さいのが茶匙。
―――
小さいのが『小さじ』、真ん中のが『大さじ』、特大のは『お徳用』に違い無い!
―――
うん。
思いっ切り間違えてたーっ!!!(泣)
道理で、レシピ通りに作っても、味が薄かった訳です。
何しろボク、大さじと小さじを間違えていたのですから。
それと気付かず、自分には料理の才能が無いのだと決めつけ、スーパーのお惣菜ばかり食べていたボク。。。
そもそも、お徳用の計量スプーンって何だよ(汗)。