昨日の『三猿』の続きみたいなノリになっていますが、全く別の話題です。
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良く工事現場などに、『安全第一』という垂れ幕がありますよね?
あれは言葉の通り、『何より優先すべきは安全』という意味です。
てめーら事故起こすなよ~、安全に気遣えよ~、とりあえず言っとくぞ~……みたいな感じの。
半ば、『現場にあるのが当たり前』みたいな、あの垂れ幕。
あの標語に、本当は続きがあるという事、皆さんはご存知でしょうか?
ボクら建設土木の業界でも、意外と知らない者が多い、この標語の『本当の』意味。
実は、こう続きます。
・安全第一
・品質第二
・生産第三
まずは安全に気を配りなさい。
そうして常に安全を考えながら、お客様に喜ばれる様な、良い品を作りなさい。
それらを最優先しつつ、その品を出来るだけ多く生産出来る様、努力しなさい。
もっとも大切なのは、命です、健康です。
どれだけ良い品を作り、生産量を上げたとしても、事故を起こしては意味がありません。
まずは『安全』を第一に考え、品質や生産は、その次で良いのです。
……と、こういう意味です。
『安全第一』だけだと、どこか漠然としたイメージになってしまいますが、こうして並べると分かり易いですよね?
ええ、もっとも大切な事は、『安全』なのですよ。
どれだけ良いものを作ろうが、どれだけ多くのものを作ろうが、『誰か』が不幸になっては意味が無いのです。
しかし今、どこの現場に行っても、掲げられているのは『安全第一』の文字だけ。
それに続く『品質』や『生産』の文字を見掛ける事は、ほぼ皆無です。
理由は幾つか考えられますが、
・長文の垂れ幕を置く場所が無いから
・文字数が増えると、『垂れ幕の代金』が高くなるから
・あまり長いと、皆が読んでくれないから
恐らくこんな理由から、次第に簡略化され、今の形になったのだと思います。
きっと当時は誰もがこの標語を知っていて、略しても、ちゃんと意味が通じたから。
だから安全第一。4文字だけならば、目にした瞬間に読めるから。
……が、標語の意味がぼやけて来た今、第二第三も必要だと思いませんか?
安全第一という言葉は、第二や第三があって、初めて意味を成すもの。
『品質や生産よりも、安全の方が大切なのだ』と認識して、ようやく人は、安全に気を配る事が出来るのですよ。
対比される第二第三が無ければ、何が第一なのかが分からない……それが、『人』なのです。
ボクは思います。
第二、第三の標語も、現場に掲げるべき!
あ、オチはありませんよ?
ええ、これはボクが、かなり本気で考えている事ですので。
現場から事故を無くしたい……それはボクら現場の人間にとっての、悲願ですから。