今日、煙草を吸いながら『ケータイの写真データ』を整理していたら、こんな画像が出て来ました。
これはシルバーウィークの時、コロプラ仲間と立ち寄ったお土産屋で、偶然見つけた風景。
恐らく原型は『牛』と思われる、全長1メートルほどの巨大ぬいぐるみです。
それを観た瞬間、その容姿のあまりの異様さに、つい撮影してしまったのですよ。
にしても、こうして改めて眺めてみると……。
明らかに気持ちが悪い!
そこは全国的にも有名なミネラルウォーターが湧き出る、『吹き出し公園』と呼ばれる観光地。
そのお土産屋の軒先に、何故こんなにも不気味なぬいぐるみが飾られているのか?
普通ならば、観光客が喜びそうな『可愛らしい人形』などを飾るべきところを、あえてこんなものを陳列して……(汗)。
いえ、元は可愛いぬいぐるみだったと思うのですよ?
それを、こんなにもベタベタとバッジを付けてしまったため、こんなにも『気味の悪い容姿』となってしまったのです。
一体誰が何の目的でやったのかは知りませんが、何となく、ぬいぐるみが不憫に思えてしまいますよね〜(汗)。
― にしても、何故こんな事になってしまったのか?
恐らく初めは、普通のぬいぐるみだった筈。
そこに誰かがバッジを貼って、今ではこんな有り様に……。
と、そこで気付いた、このぬいぐるみが辿った哀れな運命。
これはボクの想像した、ここに至るまでの、あまりにも可哀想な『このぬいぐるみの歴史』です。
―――
ある日このお土産屋に、観光客がやって来ました。
観光客はこの大きな『牛のぬいぐるみ』を見付け、記念にバッジを貼り付けたのです。
胸の部分に1枚だけ、そして旅の思い出に記念写真をパシャリと。
『可愛い牛のぬいぐるみと、記念撮影♪』
またある日の事、別の観光客が現れました。
その観光客は、ぬいぐるみの胸にバッジが貼られているのに気付き、自分が持っていたバッジをその隣に付けました。
旅の記念に、自分の足跡をそこに残すために。
そうして月日は流れ、胴体をバッジだらけにされた、牛のぬいぐるみ。
お土産屋の店主も、それが『観光客の旅の思い出』と思えば、外す事など出来ません。
幸いバッジが貼られているのは胴体だけだし、顔は見えているから、まあいいや……と。
月日はまた流れ、そこに現れたのは、別の観光客。
観光客は、ぬいぐるみの体にバッジを付けるスペースが残されていない事に気付くと、こう考えました。
観光客『額の部分に付ければ、リボンみたいに見えるのでは?』
ぬいぐるみとは言え、顔に針を刺すのは、何となく躊躇われる。
しかし額ならばアクセントとして悪くは無いし、罪悪感もさほど無い。
これは顔に付けるのでは無い、『リボンを添えてあげるのだ』、と。
そうして次の客は、そのリボンの隣に、新しいバッジを1枚。
その次の客も、またその次の客も。
まだバッジの貼られていない場所を探しては、1枚、また1枚と。
そうして今に至り、胴体どころか、顔中をバッジで埋め尽くされた牛のぬいぐるみ。
そこには元々の愛らしさなどは微塵も無く、ともすれば、『呪い』と見紛うばかりの容姿に。
それでもバッジは増え続ける、観光客が訪れるたび、1枚ずつ確実に……。
―――
『人間とは、どこまでもエスカレートし続ける生き物である』……今日は、そんなお話。
PS.これはボクの勝手な想像であり、実際の理由は、全く知りません。