いつものスーパーに買い物に行くと、Lサイズの玉子が、1パック何と85円で売られていたのですよ〜♪
ってまあ、安い物に当然理由がある訳で、それは『千円以上お買い上げのお客様のみ』の条件付き。
つい先日ボクが購入を断念した、枝幸町のスーパーと、同じシステムです。
(※4月18日の記事参照)
どうも好きになれないこの商法ですが、この不景気な世の中、きっとスーパーも生き残りに必死なのでしょうね〜。
で、いつものボクであれば、買えるかどうかで悩む場面。
しかし今日は何の躊躇いも無く、すぐにその玉子をカゴに入れました。
何故なら今日は、考えるまでも無く、確実に『千円以上の買い物になる』と確信していたからです。
『酒の買い出し』
ワイン1本285円、それを4本買うだけで、簡単に千円は超えてしまいます。
なのでいつもの様に、『もやしが29円鶏肉が287円……千円行くだろうか?』などと計算する必要などは、全く無いのですよ。
ボクの食費の80%を占め、生活を圧迫する酒代ながら、この時ばかりは心強い味方ですね(笑)。
そんな感じでワインを8本、後は適当に目に付いたお買い得品をカゴに入れ、レジへと並びます。
と、振り返ったボクのすぐ背中、一人の男性の姿が。
そしてその手には、幾つかの総菜と共に、あの玉子が握られていたのですよ。
― この人、『千円以上』の条件があるのを知らないんだ。。。
男性が手にしていたのは、弁当が一つと、安そうな総菜が一つ、飲み物が一本。
ぱっと見、どう考えても、千円には達しないだろう品だけでしたから。
そんな男性を観て、不意にボクの脳裏に蘇る、先日の日曜日のボクの姿。
レジ「どうしますか?」
ボク「すみません、(玉子を)キャンセルさせて下さい」
後ろ髪を惹かれつつも、購入金額が千円に至らなかった為、泣く泣く諦めたあのスーパーの特売玉子。
きっとこの男性も、あの日のボクと同様、レジで玉子を諦めるに違いありません。
可哀想にな……そう思いました。
そうして精算を済ませたボクは、カゴを持ってレジ近くのカウンターへ。
ワインをエコバッグに詰め込みながらも、じっと男性の姿を観察していました。
するとやはり、「この玉子は千円以上お買い上げのお客様だけに」と、レジのお姉さんに言い咎められていました。
― 可哀想に(泣)。
きっとあの日のボクと同様、レジ奥に回収されるのだろう、特売の玉子。
その後に残るのは、男性の心に刻まれた、深い消失感のみ。
実際に経験した人間だけが分かる、日常の悲しみです。
と、そんなボクの目の前、不意に店の奥にダッシュする男性!
僅か数十秒後、幾つかのロールパンをレジに置くと、「これで千円以上になったろ?」と、誇らしげに笑いました。
そして見事、特売の玉子をゲットしたのです。
―――
日曜日、同じ場面に遭遇しながらも、玉子を泣く泣く諦めたボク。
それに対し、買い物を増やして『千円以上の権利』を得た男性。
ちょっとだけ、負けた気がしました(悲)。