受話器を取り、耳を当てた瞬間、背筋が凍り付きました。
電話の主は、我が社の重役クラス。
しかも、数人いるそのクラスの中で、ボクが最も怖がっている人物からだったのですよっ!(震)
そんな人物が、一体ボクに何の用事があるというのか……(不安)。
ボク「はっ、はい、何でございましたでしょうか?(汗)」
動揺を悟られぬ様、努めて冷静を装うものの、震える声を止める事が出来ないボク。
一体どんな用事があるのだろう、ひょっとしたらリストラだろうかと、ビクビクしながらの対応です。
電話口から響く、低く威圧的な声。それを聞いているだけで、緊張がピークに達します(泣)。
重役「すまんが、ちょっと調べて貰いたい事があるんだが」
その声に背筋を伸ばし、一言一句聞き漏らさぬ様、慎重にメモ。
どうやら重役の頼みとは、今年購入した資材の種類を調べ、教えて欲しいというものでした。
怒られるんじゃ無くて良かった~……ほっと胸を撫で下ろします(笑)。
電話を切るなり、今の仕事などそっちのけ、すぐに調査を開始するボク。
しかしそれが思いの外手こずり、報告するまで、結構な時間がかかってしまいました。
『遅い!』と怒鳴られるのでは無いかと、ビクビクしながらメールを送信。
― どうか、報告した内容が間違っていません様に(祈)。
月曜日というのに、全ての精神力と体力を奪われてしまったボク。
ぐったりと椅子にもたれかかり、暫しの間、放心状態。
と、いきなりメールに着信。開いてみると、それは重役から本社への、報告メールでした。
― ああ、さっきのデータを送ったんだな。
そう思いながら、報告書式を開きます。
するとそこに書かれた内容、品目は合っているものの、数量が違っていたのですよ!
えええええーっ、数量なんて聞かれなかったじゃーん!!!(焦)
ビクビクしながら打つメール。
どうか怒られません様に、殺されません様に(祈)。
『大変申し訳ございません、
先程報告させて頂きましたものは、品目のみのリストでございまして、
実際の数量は、下記の通りでございます。
依頼内容の把握の甘さ、報告の不備、誠に申し訳ございませんでした。
全てはわたくしの、配慮の至らなさでございます』
決して失礼にあたらぬ様、感情を逆撫でしない様、努めて低姿勢で。
どうか怒られません様に、殺されません様に(祈)。
するとその直後、鳴り出す電話。
半分泣きそうになりながら、恐る恐る受話器を手に。
重役「数量の事言って無かったからな、すまなかったね(笑)」
ボク「いえ、とんでも御座いません、こちらこそ申し訳ありませんでした!」
ボクの思っていたのと違い、意外と良い人でした♪
……死ぬかと思ったけど(汗)。