はい、書けば書くほどアクセス数の減る、『なんちゃって怖い話』のコーナーです。
季節はもう秋に入りますが、3連休の最終日が死ぬほどつまらなかったので、仕方なくこんな話をします。
一応書いておきますが、これは完全完璧、脚色すら一切なしのノンフィクション!
今から15年ほど前、ボクが実際に体験した、身の毛もよだつ様な出来事です。
―――
あの日ボクは、当時付き合っていた彼女と2人で、とある遊園地に遊びに行っていました。
季節は、うだる様な真夏。
とても天気が良くて、サングラスと帽子を身に着け、汗ばみながら歩いていたのを思い出します。
ジェットコースターや観覧車などを乗り継ぎ、次に見つけたのは、何やら暗い雰囲気の小屋。
看板の文字を確認すると、どうやらここは、お化け屋敷の様です。
今時珍しいな……そんな事を思いながら、折角なので、中に入ってみる事にしました。
小屋に入ると、そこには線路があり、小さなトロッコの様なものが置いてありました。
説明を聞くと、どうやらこのお化け屋敷は、これに乗って移動するのだそうです。
自分で歩かなくて良いなんて最高♪ 横着者のボクは、それだけで幸せな気持ちになりました。
彼女と隣り合い、進むトロッコ。
中は異常に暗くて、時折出て来る『お化け』だけが、唯一の光源になっていました。
なのでボクは、『お化けが出て来ると安心するな〜♪』などと、本末転倒な事を考えていたものです。
……それにしても、ここのお化け、あまりにもチャチ過ぎる(汗)。
出て来るお化けの全てが、中学生が作った様な、おもちゃばかり。
霊の気配など微塵も漂わせぬこの空間は、ただ暗いだけで、恐怖の欠片もありません。
で、あまりにも退屈になったボクは、隣の彼女に向かい、
ボク「何だか眠たくなって来るね〜(笑)」
そう話し掛けました。
きっと彼女も、『そうだね〜』なんて言い返して来るだろうと思いながら。
が、彼女からは、全く返事がありません。
― 眠ってしまったのかな?
そう思い、彼女の体に触れてみると、全身が硬直しているのですよ。
手を握ると、向こうからも握り返して来るところをみると、意識ははっきりしている様なのですが。
しかし、どれだけ話し掛けようとも、ただの一言も発しない彼女……。
― 彼女の身に、一体何が!?(焦)
暗闇の中を進むトロッコ。
静寂が支配するこの空間で、彼女の身に何が起きているのかと、不安になるボク。
喋れない彼女。喋れない……まさか、金縛り!?
しかしここに霊はいない、それは入った時から分かっていた事だ。
ってかそもそも、幽霊なんている筈が無いし、ボクは絶対に認めないし。
だから、このシチュエーションで金縛りに遭うなど、あり得ない事なのだが……(汗)。
― それでは何故、彼女は一言も発しないのか?
暗闇で精神に異常をきたしたとか?
……いや、ボクが一緒にいるのに、それはあり得ない。
眠ってるの?
……起きてる、それはさっき確認した。彼女に意識はある。
じゃあやっぱり金縛り?
……いや、ここに霊はいない。ってか幽霊なんて存在しないっ!(怒)
グルグル回る思考の中、幾つもの矛盾と戦いながら、答を探し続けるボク。
いつもはあんなにお喋りなのに、今はどれだけ話し掛けようとも、一向に口を開かない彼女。
無限とも思える暗闇の中、静かに進むトロッコに、言い知れぬ恐怖を覚えながら。。。
そうして、ようやく辿り着いたゴール地点。
明るくなった風景に、慌てて彼女に目を向けると、そこにはいつもの彼女の笑顔。
まるで、何事も無かったかの様に。
ボク「大丈夫……なのか?(汗)」
彼女「あー、怖かった♪」
ボク「怖かった?」
彼女「うん。怖いから、ずっと黙ってた♪」
ボク「……」
そうですか、怖いから黙っていたのですか。
ボクがどれだけ話し掛けても、怖いから口を閉ざしていたのですか。
そうですか。
うん。
ボクの方が、よっぽど怖かったわーっ!!!(泣)
―――
思うのですけどね?
もしも怖いなら、女の子は、キャーとかイヤー!とか言った方が良いと思うのですよ。
そうして男の腕に抱き付くとか、涙目になるとかした方が。
だって、暗闇の中でいきなり無言になられたら、こっちの方が本っ気で怖いですから(汗)。
ボクがこれまで経験した中で、最も恐ろしかった、お化け屋敷の想い出(泣)。